2018年9月―極めて低速に運動する対象物からの熱画像収集は、本質的に難しい課題です。
フルーク・プロセス・インスツルメンツは、化学廃棄物の焼却施設におけるこうした測定上の課題に応えました。有害廃棄物は毎時4~6回転するロータリキルンで焼却されます。このキルンを保護する耐火レンガは、常に劣化していきますので、必ず交換しなければなりません。従来は、安全率を大きく見込んだ間隔で定期的に交換を行い、焼却炉の重大な損傷や有害物質の漏れ出しを防いできました。これに対し、フルーク・プロセス・インスツルメンツでは、毎時2回転という低速な回転と同期して熱画像を取得できるRaytek CS210赤外線ラインスキャニング・システムを納入しました。同システムは、キルンの外壁全体にわたって温度の偏りを検出し、焼却炉の状態に関する情報を所員に提供します。そのキルンの外壁温度は、100℃から500℃におよびます。特に温度の高い箇所は耐火材が失われているか、あるいは摩耗していることを示します。このモニタリング・システムの設置によって、耐火材の運用寿命が延び、ダウンタイムが減少したことから、コストの大きな節減になりました。