温度プロファイリングは、コンベア式熱処理プロセスを通過していく製品やその処理装置内の雰囲気温度を記録・評価する作業を指す用語です。製品の様々な位置に熱電対を直接取り付け、その製品がオーブンや炉の中を通過していく間、温度データを連続的に測定します。
温度の測定値は、データロガーに保存します。データロガーも製品とともに移動していくため、耐熱ケースと呼ぶ断熱ボックスによって熱処理プロセスの厳しい環境から保護します。プロセス通過中に無線テレメトリー通信を使うか、プロセスが終わった後で、データロガーから温度プロファイル・データを取り出します。そして、そのデータを温度プロファイルの表示・分析・レポート作成が行えるPC用ソフトウェア・パッケージに移します。
プロファイリング作業で収集した温度データをもとに時間と温度の関係をグラフにし、熱処理プロセス全体を通じて、製品がどのような温度状態に置かれたかを示します。
オーブン制御用の熱電対は、プロセス内の空気の温度を示すに過ぎません。一方、プロファイリング・システムでは、製品の表面や内部いずれの温度も測定できます。これが、製品の品質にとって非常に重要です。
最もシンプルな評価でも、温度プロファイルを見れば、製品の温度がどの程度まで上昇したか、それがどのくらい続いたか、どの時点で何度に到達したかなどが分かります。生産技術者なら、それぞれの製品に最適なプロファイルがどうあるべきかを理解しています。その理想的なプロファイルとの乖離は問題発生の可能性や品質の不適切な低下を示唆しています。プロファイルを分析することで、製品が最も高い品質に保たれていることを検証できるほか、生産性の向上や製造上の問題も解決できます。
温度プロファイリング・システムのメリット
- 製品品質の向上
- 生産性の向上
- エネルギーコストの最小化
- 適切なプロセス制御(QS/ISO9001)
- 新プロセスの効果的で迅速な立上げ
- 素早いトラブル対応