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非接触放射温度計を用いた測定

非接触での測温は、カメラの撮影とよく似ています。レンズを清潔に保ち、視野を確保することが大切なのがわかりますか?

対象物から放射された光は、大気を抜けて、温度計に届きます。温度計にはレンズが内蔵されていて届いた光を集め(太陽光を虫眼鏡で集めるようなイメージです)、ディテクタという高感度検出素子の上に焦点を結びます。このエネルギーは増幅器で増幅され、内部回路に伝わり、規定の演算式により温度値に変換され、ディスプレイに出力されます。

D:S比又は距離とスポットサイズ
「どれくらい離れた位置からはかるの?」をもとに、その位置で温度計の測定エリア(スポットサイズ)がどれくらいの面積になるかを表したものがD:S比。一般に距離に比例して面積は大きくなります。
*注意!!:測定エリアが対象物からはみでてしまうと正しい読み値を得ることはできません(視野がけ)。

Correct Distance to Measured Spot image

動作環境温度
周囲の温度は0~50℃以内でないと温度計が正しく作動しません(カタログの仕様は保証されない)。温度範囲を超える場合は空冷・水冷が必要。またレンズ汚れや粉塵が多い環境では、視野確保のためエアパージなどのアクセサリが必要になります。

放射率
一般的なのは0.95。実際は材質や表面状態で微妙に異なるためハイエンド機種では細かい任意設定が可能になっています。光沢のあるもの、薄いフィルムの場合は注意が必要です。

D:S比(距離とスポットサイズ)
対象物から離れれば離れるほど、測定エリア(視野)は拡がってしまうため、離れた場所から測定する場合は、D:S比の高い機種を選ぶ必要があります。カタログに記載しているD:S比は、距離:測定エリアの比率であり、このD(距離)の値が大きいものが遠距離から小スポットを確保できる機種です(弊社では4:1~300:1までそろえています)。なお、レイテックのほとんどの携帯型には、スポットサイズが”見える”円形レーザを採用していますので、視野欠けのない、正確で安定した測温が行えます。据付型にはレーザマーカ又は適切な視野を確保するための各種キットをご用意しています。

 Distance to Target and Measured Spot Ratio image

*赤いレーザマーカはあくまでも測定箇所をわかりやすく表示するための赤く色のついた光、測定エリアの目安にすぎません。よく誤解されていますが、非接触温度計はこの赤いレーザで温度を測っているのではありませんのでご注意ください(このページの「しくみもかんたん」を参照)。