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規制とプロセス管理

熱を伴うプロセスは広範な産業分野で、幅広い製品の性能・品質・安全性を支えています。

プロセスは、塗装硬化やはんだ付け、材料の熱処理から、食品加工や陶磁器の焼成まで非常に様々です。しかし、こうしたあらゆるプロセスに共通する点の一つが、最終製品の満たすべき仕様が決まっており、ほとんどの場合にその仕様が、製品への熱を伴うプロセスに直接的あるいは間接的に影響を受けるということです。

規制や品質に対する管理は、製造業に欠かせない重要な一部です。そして、受動的な品質・保守体制ではなく、予防的な体制づくりに向かう明らかなトレンドがあります。その背景には、エンドユーザーの品質に対する期待が高まるとともに、国の定める基準や機器メーカーやエンドユーザーの要求仕様による制約が増していることが働いています。たとえば AIAG(全米自動車産業協会)は自動車のサプライチェーンで利用するために、金属の熱処理に関するCQI 9、コーティングの塗布・硬化に関するCQi12、さらに電子部品のはんだ付けに関するCQi17の各規格を定めています。また、航空機産業には AMS2750 やBAC 5621、RPS 953などがあります。

従来のような後工程としての検査によるデータをもとに、こうした規格の要件を満たすのは簡単ではありません。たとえ全ての熱処理プロセスが適切に行われたとしても、その後の検査プロセスの手法に誤りがあれば、どのように適切な原因分析を行い、対策を計画・実施して検証を行えるでしょうか? この問題からも、インプロセスなデータに対するニーズが高まる理由がよく分かります。インプロセスなデータがあれば、ユーザーは熱処理に対する設備や製品の状態をもっとよく理解できるようになります。また、その情報から、対処的ではなく、予防的に保守が行え、生産スループットも高まるでしょう。プロセスの完全な温度プロファイルを取得すると、あらゆる予備的な情報も得られますので、継続的な改善プランを立てることも可能になります。これは、 ISO 9001:2008から ISO 9001:2015への改定の重要な部分ともなっています。

たとえば、肉類を調理する食品加工設備では、そのオーブンの出口で温度センサを使って製品の検査を行います。これは HACCP ガイドラインに準拠するための一般的な方法です。測定結果によっては、食品の調理が不十分であることが示されるかもしれません。そして、消費には適さない製品ということが分かれば、廃棄されるでしょう。もし調理のレシピだけに固執していたのでは、その情報が利用できたとしても、不具合の原因を探ることは困難で、適切な対策を取るのも難しくなります。ところが、実際のプロセスを通すことのできるデータロガーを使って、オーブンと製品の温度の両方を全プロセスにわたってモニタリングしていれば、ファンやバーナー、加熱エレメントの故障など、問題の原因となった不具合の箇所を非常に簡単かつ確実に特定できます。

規制の要件はますます厳格になっており、品質管理システムの仕様も継続的な改善をはかることが常識になるなか、プロセスを通して取得したプロファイルデータの価値が極めて高いことは明らかです。プロセス制御の実証も簡単になり、歩留まりやプロセスの効率、製品品質といった実際的な改善も達成できます。